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電子書籍とオンデマンド印刷

翻訳ものに限らず横書きは徐々に増えているのだろうか。インターネットで何かを読む場合、ブログでもなんでもいいのだが、基本的には横書きだ。日常的にインターネットで日本語に接していると、いい加減横書きにも慣れてくる。縦書きの文化など、意外とどうでもいいのではないだろうか。何もないよりは、横書きでいいから読めるものがあったほうが良い。

オンデマンド印刷というサービスがある。書籍を注文したら、その段階で印刷・製本をして、1冊の本にする。だから、売り手は在庫に苦しむことがない。書籍のデータを所持していればいいからだ。たった1冊を本にするのにそれほど費用が掛からないからこそ可能なサービスだ。

そのオンデマンド印刷がアメリカでは当たり前のように行われているという話がある。本当かどうか確認はしていないが、なんとなくやはりアメリカのほうが進んでいるなぁとげんなりしてしまう。日本にも1冊から印刷・製本できて、なおかつ低価格なサービスはあるのだろうか。調べてみたが、1冊の印刷・製本に5万円もするサービスがあった。これでは書籍のデータだけを用意して、印刷されたもので読みたい人にだけオンデマンド印刷で売ることは無理だ。高すぎる。

基本は電子書籍で販売し、それを望むひとにはオンデマンド印刷で紙の書物にしたものを買ってもらう。そういうサービスがもっと手頃な値段で提供されれば、本を出版してみようと思うひとも増えるだろう。必要以上に書籍が増え玉石混交で困るというのは正しいが、書物を出す層が厚くなれば、そこから面白いものが出てくる可能性もある。

それにはまず電子書籍が普及しなくてはならない。そうすれば、そこからオンデマンド印刷まではあと一歩だ。本を出したいと考えるひとはきっと印刷物として作りたいという気持ちがある。かといって自費出版は費用が掛かりすぎる。ハードルが高すぎて断念している人はたくさんいるだろう。

こういった試みが書き手にとってどれだけの収入をもたらすかどうかはわからない。当たり前のことで、やはりおもしろくないものを出してもきっと売れないだろう。それでも自費出版で無理をして(例えば借金をして)本を出すよりもずっとましだ。ブログで良い書き手が存在することができたのも参入障壁が低かったからだ。おもしろいものを書くひとは一定数いる。ブログがなければ、そのようなおもしろい読み物を読むことはできなかった。

電子書籍も同じだ。手軽に出版できれば、そのなかから既存の出版社が取りこぼしていたような書き手がきっと現れる。何万部も売ることはできないとしても、あるコミュニティの支持を受けた書き手が少部数でもそれなりの収入を得ることができるはずだ。

そのうえで、本当に横書きの日本語が縦書きの日本語に代わり得るのかを検証するほかない。大事な文化だと言う人はいるけれども、他の可能性全てを犠牲にする必要はあるのかどうかは、それからの話だ。

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