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手紙には宛先が必要だ-伊藤剛『マンガは変わる』

伊藤剛は骨太な批評家だ。資料を読み込み、仮説としての体系-理論を構築し、吟味する。そういった、批評家としてはきわめて当たり前のことを着実におこなっている。

『マンガは変わる』におさめられているエッセイでは、機動戦士ガンダムが社会現象となったころの、その社会現象を記述する記者とアニメファンとの文章を比較検討して、また自らの過去を振り返るようなかたちで、こう言う。気持ちを伝えようとして手紙を書いてはみたけれど、手紙に宛先を書くことを忘れていたのではないのか、と。
宛先のない手紙は、絶対に誰にも届かない。送り先すら書かれていなければ、たぶん焼いて棄てられる。

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